2015年11月20日金曜日

第2回防災研修会・パネルディスカッション開催

生田氏
11月18日(水)午後2時より大阪市立社会福祉センター第1会議室にて平成27年度第2回防災研修会・パネルディスカッションを開催しました。

第1部では、大阪市立大学大学院 生活科学研究科 生田 英輔氏を講師としてお迎えし、「地域防災における福祉施設の役割」と題して基調講演をしていただきました。
災害による被害を低減するために、行政を中心とした防災活動にとどまらず、近隣の地域社会の共助を中心にコミュニティの災害対応能力の向上を目指す「コミュニティ防災」が注目されているとの説明がありました。その中でも福祉施設や職員が果たす役割は非常に大きいものになりつつあるというお話でした。



第2部では2つの事例報告がありました。最初にグループホーム かふかの里 管理者 林 繁久氏より発表していただきました。平成25年に滋賀県甲賀市信楽町で起きた台風による洪水の被害にあわれた地域の高齢者福祉施設が、その時どう対応し、関係機関と連携したかを詳しくお話くださいました。
林氏

2例目は大阪府池田市の特別養護老人ホーム ハートフルこうだ 施設長 森脇 秀典氏より発表していただきました。昨夏の集中豪雨で8月には床下浸水、9月には落雷による停電によってナースコールの配電盤が故障した事例でした。
森脇氏










どちらの事例発表でも「増水で福祉避難所へ避難ができなかった。」「近隣地域で被害の大きさに違いがあった。」「段差のないバリアフリーの建物であるために浸水した。」など想定外の状況が発生した報告が印象的でした。


最後に、ふれ愛の館しおん 法人事務局次長の西田 和人氏の司会でパネルディスカッションを行いました。
第1部・2部の発表後に参加者のみなさんから質問を募り、特に多かった質問について意見交換をしていただきました。2つの事例発表に対する質問では、被災後、具体的なマニュアル作りは進んでいるのかという質問がありました。「まだまだ、発展途上ではあるが、被害から学んだことを活かして防災に取り組んでいる。」というお答えをいただきました。

今回の研修会では、大規模災害だけでなく、災害においては想定している範囲を超えた状況が起こりうることを念頭に、日頃より防災活動に取り組んでいかなければならないことを学べたのではないでしょうか。また、地域の特性を理解し、近隣地域社会との連携を深め、災害に強い施設・事業所づくりを進めていただければと思います。市老連 v(^-^)v



日時:平成27年11月18日(水) 午後2時~5時
会場:大阪市立社会福祉センター 第1会議室
講師:大阪市立大学大学院 生活科学研究科 講師 生田 英輔氏
    社会福祉法人湖青福祉会 グループホーム かふかの里 管理者 林 繁久氏
    社会福祉法人大協会 特別養護老人ホーム ハートフルこうだ 施設長 森脇 秀典氏
司会:社会福祉法人四恩学園 ふれ愛の館しおん 法人事務局次長 西田 和人氏
参加者:加盟施設参加者 43名
     行政関係者    13名